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9月15日(水)のNHK「クローズアップ現代+」で自伐型林業が特集されました。

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2021年9月15日にNHK「クローズアップ現代+」で「宝の山をどう生かす 森林大国・日本 飛躍のカギは」が放送され、自伐型林業が特集されました。9月16日(木)17:30からは再放送があり、見逃し放送では一週間は見られるようですので、見逃した方はぜひご視聴下さい。

放送の一部を記事にてお伝えします。

【林業の「成長産業化」のもとで進む皆伐】

はじめに映し出されたのは、林業のモラル崩壊の象徴になっている現場。「盗伐」が行わている地域でした。今、林業現場では他人の山を伐採するような事が起きています。そこでは、林業業者が大規模な伐採をしていました。

背景にあるのは、「林業再生」を目指す国の政策です。法を改正し、補助金の仕組みを整えて林業を強力に後押ししています。日本の木材自給率を20年間で、かつての約2倍、40%近くまで上昇させました。しかしその裏で、問題が起きています。

 (福岡県の皆伐現場。撮影/自伐型林業推進協会)

昨年7月に豪雨被害のあった現場を調査する研究者チームの姿がありました。土石流と氾濫の原因は「記録的な豪雨」というのが定説ですが、ここでは崩壊現場の奥にある山林を映し出しました。

「皆伐地です」(蔵治光一郎東京大学大学院教授)

皆伐とは山を一斉に伐採することです。「効率的」である一方で、環境負荷が高く、土砂災害を引き起こすリスクを背負ったものです。(※実際は全国ではこれに近い「間伐」も行われています)

(球磨川流域の崩壊・右の崩壊が左の建築物への土石流につながっている。撮影/自伐型林業推進協会)

大規模伐採ではげ山が広がったり、山の所有者に無断で伐採する「盗伐」が発生したり。大規模伐採の一部が、土砂災害などの要因の一つになっているという指摘もされています。

【皆伐地の調査をするNPO法人】

ドローンを飛ばして調査をするのは、NPO法人「自伐型林業推進協会」のメンバーでした。設立以来、林業の担い手を育成する一方で、全国で進む伐採現場を調査して回ってます。

球磨川流域で崩壊地点を調査したところ、600ヶ所以上の崩壊が確認され、その半数以上は大規模林業が展開されている現場からのものでした。

「裏山の状況を知らなければ、あしたあさっての自分の暮らしがどうなるかわからない状況です」(自伐型林業推進協会コメント)

国や自治体が住民に知らせるハザードマップ(山地災害危険地区や土砂災害警戒区域)には入っていない場所で皆伐が行われていて、そこから崩壊しているのです。

「あらためて自治体が崩壊が起こるリスクがないのかどうかを検証すべき」(自伐型林業推進協会コメント)

皆伐のリスクや背景について、スタジオに出演した佐藤宣子教授(九州大学大学院)が解説しました。

(「自伐型林業推進協会」が作成したデータ。黄色が崩壊地。ハザードマップにかかっていない地点で新しいリクスが作られている)

※上のデータや崩壊と林業の関係性についての詳細は、「災害と林業」の特設ページおよびオンラインフォーラム「災害と林業」を御覧ください。

【注目される「自伐型林業」】

国土の7割を森林に覆われた日本で持続可能な林業とは?という問いかけとともに新しい林業の形「自伐型林業」が紹介されます。

“小さな林業”というフレーズで、自伐型林業に取り組む自治体の事例を2ヶ所紹介していきます。

(鳥取県智頭町/撮影:自伐型林業推進協会)

まずは鳥取県智頭町。続いて、高知県佐川町。どちらも自治体が一丸となって自伐型林業の支援に取り組んでいます。

(大谷訓大さん/撮影:自伐型林業推進協会)

都会から地元に帰るUターン者の大谷訓大さんや、都会勤務から高知県に家族で移住した滝川景伍さんの仕事と暮らしぶりが紹介されます。

(滝川景伍さん/本人提供)

そして、スタジオでは、佐藤宣子教授が「どちらの自治体も総合計画に自伐型林業を位置づけている共通点があります」といったコメントをしました。総合計画とは、自治体のビジョンです。それに基づき、計画や予算を組み立てるため、重視されています。

「自治体が所有者と林業者の間に入ることが大事」と蔵治教授も自治体の役割に触れました。

9月16日(木)17:30からは再放送があります。ぜひ御覧ください。

【関連動画】

◉オンラインフォーラム「災害と林業〜土石流被害と林業の関係性の調査報告〜」(2021.9.15)

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