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実行団体が決定しました
-内定団体一覧-

選考委員会の厳正なる審査の下、本事業の実行団体5団体が決定しました。

2020年度 助成決定事業

助成先 1

事業主体:一般社団法人東北・広域森林マネジメント機構(岩手県)

申請事業名:東北の森林を活かした生業創出支援事業

  (副題)東北におけるウィズフォレストモデル

事業概要

  • 青森・岩手・宮城の連携団体と協力し、事業対象者に対して、自伐型林業の習得に必要な事業を行う。主な活動は自伐型林業研修であり、3県それぞれの連携団体のメンバーが持つフィールドにて、集合研修・個別指導・経営相談を実施する。講師は主として連携団体のメンバー2名体制で指導をするが、専門的な技術習得が必要な時には外部講師を招く。経営相談では事業対象者が自伐型林業の担い手として自立できるようにフィールドの紹介等、一人ひとりきめ細かいサポートを行う。
  • また、新型コロナウイルスの影響で、原木の出荷制限の長期化が予想される中、東北の特徴である樹種を活かした木材の6次化に関する内容も研修に折り込む。

新型コロナウイルス感染症により深刻化した社会課題

  • 東北地域は東日本大震災の復興の途上にあり新型コロナウイルスにより、復興に大きな影響を受けている。
  • 例えば、三陸沿岸の基幹産業である水産業は官民よる支援を受け、震災前の生産量の水準にまで回復しつつあった。しかし出荷先を首都圏の飲食店に頼っていたことから、漁業者・水産加工業者は売上が大きく減少している。また、被災地の新しい産業としてツーリズムによる関係人口・交流人口の創出、移住者の仕事づくりが積極的に行われていたが、新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされている。東日本大震災による死者、人口流出が深刻な被災地が新型コロナウイルスの影響でさらなる人口流出を招く可能性がある。東北の中でも最も感染者数が多い宮城県では、解雇・雇止めが700名を超えている(河北新報2020.7.31)
  • また、林業も新型コロナウイルスの影響を受けている。木材価格が低下していることで、林業事業体は低下した材価を補うために、さらに大規模な伐採を行っている。また今まで以上に効率化を求める為、荒い施業が増えている。今後もこのような施業を続けていくと、将来の資源を先食いしてしまい、地域産業の持続を妨げてしまう可能性がある。また、再造林されない山林が増えることで土砂災害を誘発し、生活者、漁業者にも影響を及ぼす可能性がある。
  • 東北の最大の地域資源は広大な森林である。この森林を持続可能な森林経営手法である自伐型林業により生業を創出し、森林を守り続ける担い手を育てることが、地域が持続し、アフターコロナを乗り越えるために緊急に必要なことと思われる。
  • コロナ禍の中、東北において自伐型林業への関心が高まっている。7月に岩手県で実施した自伐型林業研修には定員12名のところ30名を超える応募があり、断らざる得ない状況であった。
  • 参加者もこれまで以上に早い参入を検討しており、早急に新規参入者が集中して技術を学べる環境整備が必要である。

選考理由

東北地方の山林が抱える課題を明確に把握できており、事業計画は具体的で実行性に富んで いることが評価されて本助成対象に選定された。また、薪の製造や漆の植栽など、現実と将来 性、地域性を見据えた企画が、コロナ禍で困窮する人たちの救済に確実に繋がることを期待し たい。


助成先. 2

事業主体:特定非営利活動法人奥利根水源地域ネットワーク(群馬県)

申請事業名:自伐型林業で6次産業化プロジェクト

事業概要

  • みなかみ町(群馬県)は、観光業が盛んな地域で、1年の中で繁忙期と閑散期、休日と平日で仕事量に大きな差が、コロナの影響でさらに仕事が少なくなっている現状がある。特にアウトドアスポーツに取り組む事業者には、世界大会にも出場するような選手も多く在住している。
  • 観光業に携わる人々が年間を通じて安定的に生活していくために、仕事量の少ない時期に副業的に自伐型林業に取り組める体制を整備する。
  • しっかりとした道作りの技術を学び、そこから搬出される木材を活用して、建築材やクラフトの材料などに加工、販売までできる仕組みを構築する。
  • また薪や炭などの燃料としての供給、マイタケのホダ木づくりから栽培までおこない6次産業化を推進する。

新型コロナウイルス感染症により深刻化した社会課題 

  • みなかみ町は観光業に携わる人が多く、ラフティングをはじめとしたアウトドアスポーツの盛んな地域である。しかし、季節性が強く、夏場と冬場の仕事量に大きな差があり、通年雇用が難しい現状がある。
  • さらに、今回のコロナウィルスの影響により、観光客が一切来なくなり、観光業及びそれにかかわる関連事業所すべてが大きな打撃を受けている。みなかみ町役場及びみなかみ町観光協会の調査では、大型の旅館10軒だけでも、5月末までで3万人のキャンセルが発生している。6月以降は群馬県の観光キャンペーンやGOTOキャンペーンおかげで多少入込も増えたが、アウトドア事業者の夏の売り上げは例年の半分程度にとどまっている。
  • また、みなかみ町にはイーストウインドという日本で唯一のアドベンチャーレースのプロチームがあり、普段はアウトドア事業者でガイドをしながら、資金をため、世界中のアドベンチャーレースに出場して結果も出している。しかし、コロナウィルスの影響により、ほとんどの収入が無くなり、チームの存続の危機になっている。
  • これからスキーシーズンが始まるまでの期間は、通常でも観光客が少なくなる時期になり、特に平日に少しでも収入になる仕事が必要である。また、アウトドアスポーツは天候により仕事量が変わってしまうため、空いた時間に少しずつでも仕事が出来るような仕組みと受け皿が必要である。

選考理由

地元行政の協力を得た企画であることから実行性が高いと評価された。自伐型林業研修を実 施していくと同時に、町役場と連携して木材やキノコ等の加工体制の整備、木材や特用林産物 の販路開拓にもトライしていく。本助成終了後のウィズコロナの状況でも、「半林×半観光」で 自立した生活を送れる地域のモデルとなってほしい。


助成先 3

事業主体:天竜小さな林業春野研究組合(静岡県)

申請事業名:小規模持続型林業による地域の仕事創出事業

(副題)地域の未来 山づくり、道づくり、人づくり

事業概要

  • 天竜地域は日本三大林業地の一つで、古くから林業を基幹産業として地域の雇用や暮らしを育んできた。
  • しかし、近年では少子高齢化や人口流出に伴い、集落を維持できない状況も増えてきている。さらに、コロナウィルス感染拡大により地域の雇用や働く場は減少の一途を辿っている。
  • このような状況を克服する為、地域を担う人材の育成、雇用支援、働く場の創出事業を実施し、それにより地域資源を活用した失業者、生活困窮者の働く場づくりに貢献し、同時に事業実施後も林業を通して地域の持続可能で継続的な働く場づくり、及び地域づくりの支援を可能とする為の基盤整備とモデル事業の構築を図る。

新型コロナウイルス感染症により深刻化した社会課題

  • 木材市場価格の低迷はこれまでも地域の林業における大きな課題であったが、新型コロナウィルス感染症の拡大により木材需要が激減し、その結果木材市場価格が更に低下。林業経営に大きな打撃を与えている。
  • 感染拡大に伴い、飲食業、製造業、小売業などを中心に、失業者や生活困窮者が激増。大手企業の生産活動停止や休業に伴い、下請中小企業の多いこの地域でも失業者や所得減少者が増えており、先行きの見えない不安が蔓延している。
  • 少子高齢化と人口流出の続く中山間地域にとって、新たに移住し地域で暮らす人たちの存在は欠かせないものである。しかし、移住者の多くは安定的に所得や雇用を得られる状況になく、多種多様な生業を営み生計を立ててきたが、感染症拡大の影響により仕事が減り、窮地に立たされている。
  • 気候変動の激化により、日本全土で土砂災害が頻発する状況になっている。災害復興の為のボランティア支援も感染拡大により難しい状況が続いており、災害に強い森づくりが急務である。

選考理由

OJT による実践的な森林作業の習得を目指す企画が具体的で、高い効果が見込めるであろう ことが評価されて本助成対象として選定された。また、研修生の生活環境への配慮も細かく検 討されおり、研修終了後の自立プログラムも充実していて、コロナ禍で生活が困難な人でも新 しい人生を踏み出す後押しになることが期待された。


助成先 4

事業主体:一般社団法人ふくい美山きときとき隊(福井県)

申請事業名:森から学ぶ自立に向けた技術習得プログラム

 (副題)きっと見つかる私の未来♪森プロジェクト♪

事業概要

  • 新たに自伐型林業に取り組む意向をもつ失業者・生活困窮者等に対して、中山間地域にて森林資源を活用しながら自立して生きるための技術研修と、ポストコロナの時代に求められる生きる力を育むプログラムを実施する。
  • 今後の経済環境が不安定な中で、自ら中山間地域の森林等の資源を最大限活用した生業を創造し、自活していくことを目指す。具体的には、里地里山への移住を含めた支援、山林を活かした自伐型林業のノウハウや技術、製材やバイオマス技術研修、そして安全管理、経営管理の研修をOJTも含めて実施する。
  • 森づくりの継承と新たな仕事をプロデュースを通じ、単なる過疎地の担い手でなく、地域に貢献する人材としての活躍を期待する。

新型コロナウイルス感染症により深刻化した社会課題

  • 新型コロナウイルスの拡大にて、多くの業種が歴史的に経済低迷期に入ってしまいました。 このことから、仕事そのものがなくなる、また働き先や働く時間の減少に伴い、国民の収入は減少という苦境下にもあります。
  • 生活困窮者が増えることが危惧されますが、若者が働けなくなると結婚や子どもをもうけることも躊躇してしまい、益々高齢化が進むこととなります。また子育て世代の生活困窮が深刻化することで、子ども達が希望を持てない国となってしまう恐れも出てきます。
  • 3密防止や、新しい生活スタイルとしていく必要がある中で、大都会(人の集まる町)で生活するだけが豊かな社会でなくなるとも感じます。生きていくことが辛い社会になることを危惧します。
  • 中山間地域では、過疎化の問題もあり、今後の山村部の維持管理に課題がありました。コロナ状況下で都心部に人が集中する事への疑問も上がっていることから、農山村地域の人手不足と、地方での暮らしに想いを寄せる人が増えると思われることで、雇用や働き方の新しいスタイルを生み出していくことが急務である。
  • 新型コロナ影響化の課題と高齢化が進む山村部(過疎地区)の課題(農林業の衰退と人の流出)を自伐型林業を活かす仕組みを構築していくことで、新たな雇用創出が可能です。
  • 山村部への移住で両サイドでの課題もクリアさせることが可能となります。里地里山と人を面白くマッチングさせていく事業を推進することが、日本の未来を明るく照らすと考え、事業展開を推進していきます。

選考理由

中期ビジョンとプランが具体的で、IT 技術者の経験を活かした様々な取り組み実績があり、行 政とのタイアップもあることから、本助成の趣旨に見合った成果を手堅く上げられるだろうと評 価されて本助成対象として選定された。また、地域の広葉樹を生かす加工・販売等の取り組み にも大いに期待したい。


助成先 5

事業主体:九州地区自伐型林業連絡会(大分県)

申請事業名:九州で暮らし環境を守る林業塾

  (副題)九州林業塾

事業概要

  • 研修事業:チェーンソー・小型バックホー・林内作業車特別教育,作業道路開設,伐採,造材,搬出等の研修,林業知識教育等50日間研修を実施し自立できる自伐型林業者を養成する。
  • 2就業情報提供事業 ①山主と林業塾生のマッチング会の開催 ②山主テレビ相談会の開催 ③山守相談会の開催 ④地域おこし協力隊相談会の開催等オンライン相談会を積極的に開催する。
  • 日当支給事業 自伐型林業により作業道路設置,間伐,伐倒材搬出等の自伐型林業実務を行い,その作業により得た利益を研修生に配分することで林業収益を理解する。
  • 自伐林業家ネットワーク事業 養成した林業家の生活や就労を支援するためのネットワークを構築する。迅速な相談を可能とするためSNSを活用する。
  • 募集についてはSNSを使ったターゲッティング広告,本会HP,自伐推進協HPを活用し,ハローワークや林業行政団体からは伝わりにくい求職者にダイレクトに伝える。

新型コロナウイルス感染症により深刻化した社会課題

  • 都会では感染拡大により生活に恐怖を感じる。
  • 通勤時,仕事中など三密の環境での生活を余儀なくされること。
  • 飲食などを始め雇用の収縮により雇い止めや減収,就職内定の取り消し,派遣切りなどが現実となり,生活に費用のかかる都会生活が無理になる。

選考理由

自伐型林業研修生の募集アプローチや、研修のフォロー&サポートが先駆的かつ具体的で、 九州全域に自伐型林業を普及させる可能性が感じられた。SNS は従来の山林事業者の間で はあまり利用されてこなかったが、本助成の趣旨であるコロナ禍の生活困窮者の支援のため には有効な方法だと思われる。

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