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活動紹介4|奥利根水源地域ネットワーク

代表:北山郁人さん

事業名

自伐型林業で6次産業化プロジェクト

コロナで影響を受けた人たち向けの研修を群馬県で主催するのは「奥利根水源地域ネットワーク」です。

日本唯一の林業専門番組「ZIBATSUニュース」(NPO法人自伐型林業推進協会)に代表の北山郁人さんがゲストに招かれました。そこで、活動場所であるみなかみ町藤原での取り組みを紹介しました(収録日:2021年3月4日)。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた人たちを対象にした、自伐型林業による担い手育成を行う助成事業「失業者を救う自伐型林業参入支援事業〜アフターコロナの持続・自立した生業の創出〜」を活用した全国5地区の中の一つの事業になります。

豪雪地帯 藤原という地域で活動

ここみなかみ町は、アウトドアスポーツが盛んで、キャニオニング、ラフティングなどが全国的に見ても有名な地域です。それもあって、夏はアウトドアで、冬は林業という副業スタイルで活動しています。

管理をまかされている山は広葉樹林が中心です。一部スギもありますが、主に我々が任されている山はミズナラが多いですね。カラマツの人工林も多少あります。

(活動している藤原地域の森林)

移住して自伐型林業を始めた経緯

私は、もとはみなかみ町とは縁もありませんでした。

名古屋出身で、大学では彫刻の勉強しており、そのころは巨木を探して全国の山の中を彷徨っていました。奥多摩町はその点で学生のうちから通っていた地域でした。卒業して、奥多摩に10年ほどいて、そこでは水源管理、巨木調査などをしていました。環境教育にもっと力を入れたいと思い、それができる地域を探し始め、12年前に藤原に辿り着きました。

(敷設した道を小型の「林内作業車」で走行する。木材搬出に必須のマシンだ。)

コロナの影響を直撃した観光業 

いま、我々はみなかみ町の町有林で活動しています。

26haほどの森林を直接管理し、木がない草原地(かや場)の管理もしています。かや場は、里山と雑木林がセットになっているような場所です。ここもみなかみ町のものですが、森林塾でも管理しています。

地域にはインストラクターやガイドがいっぱいいますので、コロナで仕事がなくなってしまってという方が多いです。もともとこういう人たちは自然や環境に関心が高く、コロナ以前から一緒に活動していたわけですが、休眠預金事業にあたっては、コロナで打撃を受けたアウトドア関連の仕事をしている人たちを中心とした事業にしました。

実際、コロナが流行した昨年は、秋まではお客さんはほぼゼロで、冬はまた緊急事態宣言が出たので、ゼロに戻ってしまいしました。私は、主に小中学校の林間学校の対応をしており、コロナの前年でしたら年間、約2万泊の受け入れがあったものですが、2000泊くらいに激減しましたので、観光業はそうとうな影響を受けています。

(3トンのバックホウで道作りをする)
(緩やかな傾斜地でも幅員2.5mを守り、豪雨や水害があっても壊れない道を目指す)

今後のスケジュールと課題

今回の事業では、山から木を原木市場に出して販売すること以外に、薪や炭の生産・販売をもっと増やしたいですね。また、収入アップに向けて、まいたけの生産もしています。できるまで1年半かかりますので、長い道のりです。

温泉地が町内に18箇所もあるので、宿泊施設で木を使った薪ボイラーを導入してもらったエネルギー転換もしてもらえると、よりですね。今は1施設だけなので。薪ボイラーは、設置にはお金がかかりますが、シャワーや水を加熱するために重油や灯油を使うよりもコスト的に安くなるようです。

(薪の生産は大きな収入源のひとつ)

町内でも、9団体が自伐型林業の活動しています。4、5月で道づくりとバックホー研修をする予定です。並行して、きのこ栽培、地域の別のグループとの月1の勉強会をしつつ、12月まではしっかりとした道をつけていく感じです。

山に「壊れない道」をつけて、材を出すところまでできているグループは私たちだけなので、こちらの情報を伝えつつ、向こうの情報ももらいながら、相互に高めあっていきたいですね。

みなかみ町としては自伐型林業への取り組みは早い段階からやってきて、研修を受けたことのある人というのは増えて、その裾野は広がっていますが、これからは中級者の「育成」を担って、人材の層を厚くしてゆきたいですね。(収録日:2021年3月4日)

(キノコのホダ木を生産し、出来上がったキノコも「特用林産物」として出荷する)
(薪だけでなく木炭への加工にも挑戦)
Posted in 実行団体の活動

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