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22歳谷岡氏(佐川町)が朝日新聞に掲載─「所有林で施業 若者奮闘 日高の谷岡さん『自伐型』3年」
5月13日付けの朝日新聞高知県版に、高知県佐川町の谷岡宏一さん(22)が取り上げられました。
谷岡さんは、当協会の協力団体である土佐の森救援隊の「副業型自伐林家養成塾」の門下生で、みずからが所有する山で作業道をつくり、地域住民らとともに山林整備をしてきました。
土佐の森から指導された自伐型林業の技術や経営手法を愚直ともいえるほど守り通してきた谷岡さんが、地道に成果をあげ、このように取り上げられると非常に嬉しい限りです。たくさんの若手が谷岡さんに続くように、自伐協も支援をしていきたいと思います。
以下、記事の転載です。
■所有林で施業、若者奮闘 日高の男性「自伐型」で(朝日新聞高知版 5月13日)
http://www.asahi.com/articles/ASH5256D8H52PLPB00C.html
山林所有者が、伐採などの施業を自ら行う「自伐型林業」が注目されている。林業は、山林所有者に代わり森林組合が施業を担う例が主だが、自伐型は 低コストで新規参入しやすいなどの利点があるためらしい。県内でも若い世代が参入する例が出始めており、3年前に始めた日高村の谷岡宏一さん(22)を訪ねた。
佐川町南部の山あいに広がるヒノキの人工林。ここが谷岡さんの山林で、3~4本に1本ほどの割合でヒノキが根本で伐採、切り株になっている。成長の悪い木を間引いて密生を防ぐ間伐をした跡だ。
「間伐をすると太陽の光が入りやすくなり、木も元気になる」と谷岡さん。実際、太陽の光が差し込み、林内は明るい。
林内には幅2メートルほどの作業道があちこちに延びている。間伐や、その後の搬出に使うためで、谷岡さんが油圧ショベルを使って造ってきた。すでに延長約3千メートルあるという。
谷岡さんの山林は約40ヘクタールある。祖父が購入し、大半は40~60年生にまで育っている。父親は会社勤めで、手入れは森林組合などに委託してきたが、谷岡さんは2011年に自伐型林業の普及活動をするNPO法人土佐の森・救援隊(中嶋健造理事長)の研修会に参加、自ら施業することを決意し、 翌年から間伐などの手入れを始めた。
理事長の中嶋さんによると、森林組合は一般に木の伐採や搬出用に高性能林業機械と呼ばれる高額の機械を使うが、自伐型はチェーンソーや小型の運搬作業車などを使用。投資が少 なく済み、作業道も比較的小規模で済むなど、個人でも取り組みやすいという。木が成熟期を迎えてきたこともあり、県内でここ数年に20人ほどが新規に始め ているという。
谷岡さんによると、自らの労賃を除く昨年度の経費は、機材のローン費や修理費、燃料代など約180万円。一方、収入は間伐材の売却費や補助金など約400万円以上が見込まれ、谷岡さんの労賃を考慮しても黒字化しているという。「軌道にやっと乗り始めた」と谷岡さん。
今後は、毎年3ヘクタールほどのペースで間伐し、一巡後も同様に繰り返す予定。谷岡さんの山林は比較的面積が大きいため、ローテーションにより、 毎年、一定の収入が確保できそうという。「山は手を加えると木が生き生きとするなど見違えるようによくなる。やりがいがあり始めてよかった」と話している。
中嶋さんは「個人であれば30ヘクタールほどあれば、専業でもやっていける。谷岡さんは、そのよい例だ」としている。(天野剛志)
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