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紀伊民報が会員交流会をレポート「広げよう「自伐型林業」所有者自ら森林整備 」

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講演会とはひと味違う小さなトークイベント「自伐型林業オープントークin南紀」を和歌山県みなべ町で開いたところ、県内者を中心に15人が集まりました。

700人を超えた自伐型林業推進協会サポーター会員向けの小さなイベントで、気軽に自伐型林業について学び、相談しあえるオープンな会です(無料のサポーター会員登録はコチラ)。関西では初開催です。「自伐の情報を生で聞きたい」と車で16時間かけて来てくれた長崎県在住の会員も参加し、質疑も活発に交流しました。

当日の模様を地元紙「紀伊民報」が報じてくれました。同紙の記事は無料の会員登録をすると、会場となった南紀地方の地元情報がウェブ閲覧できます。

広げよう「自伐型林業」/所有者自ら森林整備/みなべで交流会(紀伊民報 2019.10.3)

 山林所有者や地域住民が森林整備を手掛け、適正な間伐を繰り返しながら持続的な経営を図る「自伐型林業」を広げようと、みなべ町清川の紀州備長炭振興館で9月28日、関係者による交流会があった。NPO自伐型林業推進協会の中嶋健造代表理事=高知県いの町=は「紀南で推進グループを立ち上げてほしい」と呼び掛け、今後の発展を期待した。

 みなべ町や田辺市、上富田町、日高川町、串本町などから、林業関係者や山林所有者ら自伐型林業に関心を持つ14人が参加。中嶋さんが、日本の林業の問題点や自伐型林業の意義について解説した。

 同協会によると、一般的な林業である再造林施業は、経営や施業を請負事業体に全面委託し、50年くらいで皆伐、再造林しているのに対し、自伐型林業は所有者や山守と共同で経営、施業し、約10年に1度の頻度で2割以下程度の間伐を繰り返し、間伐生産を収入にしていく。A材(むく材など)の高品質材生産が主体で、面積当たりの本数は減るが、残った木が大きくなるため材積は増える仕組み。

 中嶋さんは、いまの日本の林業の問題点として、持続的な森林経営と森林環境保全が軽視されていることを挙げた。作業道を敷設して皆伐することが多いが、岩手県や福岡県の豪雨災害では皆伐地で崩壊が確認されているとし、脆弱(ぜいじゃく)な土質や地質地帯での皆伐は土砂災害を招くこと、土砂流出で下流河川の河床を上昇させ、洪水時の災害につながる危険性を説明。「皆伐は駄目だ」と指摘した。


(皆伐が広がる和歌山県中部。奥に大阪湾を臨む/google earth)

 大型高性能林業機械を入れた大規模集約型の間伐では、道幅が広く、切り土量が多いことなどにより切り土や盛り土の崩壊を招き、風を呼び込むことで風倒木被害が発生する。自伐型施業は、幅が狭くて切り土も低く、谷を渡る道に土石流を止める役割を持たせるなど、小さい作業道や2割以下の適正な間伐が土砂災害防止や減災につながる環境保全型であることを、各地の写真で実例を示して紹介した。

 人工林を皆伐して広葉樹を植樹することや、強度間伐して放置することは森林劣化や土砂災害誘発につながるとし、森林環境税などは人工林のまま良好な森へ誘導する自伐型林業の推進に使うべきだといい「欧米型の大規模施業は日本に向かない。かえって日本林業の特徴を消し、森を破壊する」と訴えた。

 夫婦で小規模に、自伐型林業をする様子の動画も見せて、「良い森、持続可能な森をつくれるかどうかが勝負」「どこかに見本となるモデル林をつくってほしい」と、自伐型林業を紀南で広めるよう参加者に呼び掛けた。

 参加者からは「固定資産税が負担となり困っている所有者が多いが、そういう人と自伐型林業をしたい人と結び付けられる機関をつくることができないかと思っている」という声もあった。

 龍神村森林組合の眞砂佳明組合長は「自分自身、自伐林業家だったので、森林組合と相いれないものではないという思い。どこかでつないでいかないといけない。林業従事者の裾野がこういう形で広がっていってほしい」と話した。


(会場となった紀州備長炭振興会/写真は一部除きすべて自伐型林業推進協会)

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