【2020年度】休眠預金事業(通常枠:3年)

地域の森林を守り育てる生業創出支援事業~中山間地域における複業型ライフスタイルモデルの再構築~


実行団体

助成先【1】
合同会社百(宮城県柴田郡川崎町)
申請事業名:「食とエネルギーの自給100%」を体験できるエコモデーションの運営と木質資源の新しい価値の創出

申請事業の概要:地産地消のエネルギー(薪ボイラーによる熱、太陽電池と小水力発電による電気)を活用して運営する宿泊施設にて、地元で育てた作物を使った蕎麦打ちや餅つきなどの食品加工体験や、真似のできる「やさしいエコ」な暮らしを提供の中心とした宿泊事業及び、宿泊客と地元民を対象としたバー営業と、自社所有山林内の整備や、整備の中で生産された木材を使った製炭、今後の活用を想定した建材となる丸太の確保・生産による半林半Xのモデル確率を目指す。

助成先【2】
株式会社ワイルドウインド(奈良県吉野郡)
申請事業名:自然資源活用での地域生活を目指す方の独立支援事業

申請事業の概要:中山間地域で自伐型林業をメインとした半林半Xの生活を目指す方々を対象に「自伐型林業学校」を奈良県吉野郡で開講する。現地での経営相談や作業支援など包括的な自立・独立を最後まで支援することで半林半Xの実践者を全国で増やし、また、若手講師の育成にもつなげていく。
また、奈良県吉野郡の各自治体で、吉野の新しい「山守」を目指して活動する自伐型林業の地域おこし協力隊員を主な対象に、「八千代の学校」を開講する。地域資源を活かした持続的な副(複)業の提案、講習、OJT等から知識と技術を身に着け、自ら実践し地域移住の収入の柱を作る事を目的とし、吉野郡での半林半Xの定着を図る。
さらに、関西近郊の都市部で生活に必要な収入源となる定職をお持ちの方で、副業的に自伐型林業に関わりたい方を対象に「ミニ自伐型林業学校」(仮称)を開講する。以上3つの事業の実践により、多様なレベル段階による講習を実施し、全国での半林半Xの実践者の普及および吉野郡での半林半Xの拡充を目指す。

助成先【3】
株式会社FOREST WORKER(広島県庄原市)
申請事業名:林業における複業型就労の提案

申請事業の概要:①自社の保有する山林を永続管理することで利益を出し、雇用を維持する。そのモデルを確立することを目指す。
②中山間地域で比較的自由度の高い農業者をモデルに兼業型林業の確立と複業型人材の育成を目指す。
③提携する異業種先と人事交流・人材シェアを行ない、農業でのモデル確立を目的とし閑散期を作らない労働サイクルの実現を目指しwinwinの関係構築を図る。
④林業支援講習等を行うことで人材発掘、担い手育成を図る。
⑤農業分野にて確立したモデルを異業種でも応用し、多様な業種への複業提案を行なうための(オンライン)サロンを開設する。
上記5つの事業の実践により庄原市での兼業型林業モデルの確立と半林半Xによるなりわい創出・拡大を目指す。

助成先【4】
一般社団法人ディバースライン(長野県佐久市)
申請事業名:森の担い手育成と森・人・地域社会を豊かにする事業

申請事業の概要:アスリート等が抱える社会課題として、一部のトップアスリートを除き、多くのアスリートが、競技活動と生活のための仕事の両立が難しく収入が安定していない現状がある。また、活動資金をまかなうための短期的な就職では十分なキャリア形成を行うことができず、多くのアスリートは経済的な不安や将来への不安を抱えている。
そこで、自己実現を目指すアスリート等に自分のライフスタイルに合わせて施業可能な自伐型林業を複業型ライフスタイルを自伐型林業フォーラムや研修、終了後の定期的なフォローアップにより波及し、アスリートのキャリア構築における社会課題解決を目指す。アスリート等が個々の活動と活動フィールドである自然を守る活動を並行し、多様な生き方と自己実現を同時に可能とする社会を目指す。

助成先【5】
株式会社皐月屋(鳥取県智頭町)
申請事業名:「人を活かす山を創る」場づくりと自伐型林業人材、複業・兼業人材の創出事業

申請事業の概要:①環境保全型・持続可能な林業のモデル林づくり / 半林半Xの創出・推進の場づくり
②自伐型林業の技術者と指導者の育成
③異業種との連携(林業×〇〇) / 皐月屋での多角化経営の確立
④複業・兼業林家の発掘、育成と複業事業の創出
以上4つの柱を軸として事業を展開していく。さらには確かな技術やモラルを持った自伐型林業を担う人材と、複業を創る人材を智頭町に集め、「智頭モデル」がひとつの事例として確立していくと同時に、近隣の自治体や全国に広めていきたい。

事業概要

対応する社会課題

中山間地域には、若年層が将来に希望を持って働ける場が少なく、進学や就職を機に都市部に流出し、少子高齢化、人口減少が進行しています。

中山間地域の面積の8割を占める森林は、かつて薪炭林や用材林として手入れされてきましたが、燃料革命や木材価格の下落とともに地域の山林所有者からは放置されるようになりました。

昭和30年には50万人だった林業就業者は、平成27年には4.5万人まで減少しています。拡大造林期に植えられた用材林は樹齢50年を迎え、国は伐採・利用を推進していますが、大規模伐採後の再造林が追いついていません。大規模な伐採後に豪雨や台風に見舞われた山林では土砂災害が発生しています。

本事業の狙い

本助成事業は、少子高齢化、人口減少が進行することにより、活力が失われている中山間地域において、その面積の約8割を占める森林資源に着目し、持続可能な森林施業を可能にする「自伐型林業」の手法を活用し、地域に住み続けられる半林半Xの生業づくり創出を支援するものである。実行団体は、活動する中山間地域において、当該地域に都市部から移住する若者やファミリー移住者等を対象として、地域の森林資源活用、環境保全の担い手を養成するため、自伐型林業に関する技術研修を実施し、かつ各人がそれぞれの個性と能力、創造性を発揮し、副業的に林業以外の収入を生む仕事生み出し、或いは発展させることにより、半林半Xというライフスタイルによる生業創出を支援する取り組みが期待される。

事業内容

本事業では、国土の7割(中山間地域の8割)を占める森林資源に着目し、経済・環境面で持続可能で、森林の耐災害性を高める自伐型林業を活用しながら、地域に住み続けられる半林半Xの生業づくりを目指します。3年間の事業を通じてコロナ禍後の価値観に即した、自然と共生するライフスタイルの実例を創出していきます。

本コンソーシアムが採択する事業の実行団体に対して、地域の森林資源活用、環境保全の担い手を養成するための自伐型林業に基づく実践研修・森林経営の伴走支援を行います。

長伐期多間伐施業、災害に強い壊れない作業道づくりを基本とした、森林整備・保全のモデル整備の促進、森林資源が有効活用されるよう、木材加工等による付加価値創出、バイオマスエネルギーの活用など地域内外の新たな木材需要システムの構築を推進します。

さらに、事業終了後の生業定着に向けて、国や自治体への政策の働きかけ、企業への支援・協力要請、本事業やライフスタイルの実例の全国への発信等を行っていきます。

資金分配団体

(コンソーシアム名)
地域の森林を守り育てる生業創出支援事業コンソーシアム

(構成団体)
特定非営利活動法人地球と未来の環境基金
特定非営利活動法人持続可能な環境共生林業を実現する自伐型林業推進協会
ランドブレイン株式会社

事業期間

2020年11月~2024年3月(実行団体の事業期間は2021年3月~2024年2月)

助成概要

助成対象事業

本助成事業は、少子高齢化、人口減少が進行することにより、活力が失われている中山間地域において、その面積の約8割を占める森林資源に着目し、持続可能な森林施業を可能にする「自伐型林業」等の手法を活用し、地域に住み続けられる半林半Xの生業づくり創出を支援するものです。

中山間地域において、当該地域に都市部から移住する若者やファミリー移住者等を対象として、地域の森林資源活用、環境保全の担い手を養成するため、自伐型林業に関する技術研修を実施し、かつ各人がそれぞれの個性と能力、創造性を発揮し、副業的に林業以外の収入を生む仕事生み出し、或いは発展させることにより、半林半Xというライフスタイルによる生業創出を支援する取り組みを行う団体に対して支援します。

助成対象地域

全国

助成対象となる団体

持続可能な森林資源活用に関心を持ち、中山間地域での生業づくりを実践可能な団体(地域おこし協力隊、地域商社、環境系NPO等)

助成金額

助成総額 3,500 万円(1 団体あたりの助成額:上限 700 万円)

事業目標と取り組み

本事業の目標

地域の森林を守り育てる生業創出支援事業では、以下のような中長期的アウトカムを設定しています。
・長伐期多間伐施業と壊れない道づくりによる作業道づくりを基本とする自伐型林業等の手法を活用した、経済的にも環境的にも持続可能で、森林の耐災害性を高める林業が各地域の複業型林業として定着していくこと
・中山間地域に住み続けられる半林半X型の複業型ライフスタイルが普及し、移住者・定住者や新たに生まれる子どもが増え、人々が住み続けられる自律的かつ持続的な地域が再構築されること
・事業終了後5年後に対象地域の森林を守り育てる担い手が100名を超えること

実行団体に求める事業内容

各実行団体には将来的な自立に向けて、3年間の事業期間を通じて、以下に示す個別の目標に向けた取組を実施頂きます。これらの目標を達成するために、資金分配団体である本コンソーシアムは、実行団体に対して、資金支援だけでなく、事業実施のアドバイス等の非資金的な伴走支援も実施します。

<資金を活用して実施する取組み>  
実行団体の目標実行団体の取組み
実行団体のメンバーが事業を通じて地域の森林を守り育てる林業のスキルを習得し、継続して地域の山林を任されるようになる。・持続的な林業を実践するための基礎的な知識・技術・資格の取得
・事業期間を通じた林業施業の継続による経験値の向上
実行団体のメンバーにより、環境的にも経済的にも持続可能で、災害にも強い林業施業手法によるモデル山林が整備され、対象地域での持続的な林業を実践・試行し続けられる。・各地域で持続的な林業手法を検討し実践を続けられる拠点構築
・持続的な林業を実施するための継続的な技術のスキルアップ
・林業施業に最低限必要な機材の確保
自治体や地域住民、民間企業等との関係構築を通じて、実行団体のメンバーが、林業を複業として従事できる事業環境を整えられる。・自治体の担当者(林業や移住定住等)から、実行団体が必要なアドバイスが受けられる関係構築
・A材、B材、C材の材質に応じた適切な販路の確保
中山間地域の新たな複業型ライフスタイル・マルチワークによる新しい生業モデルを発信できるようになる。・活動をPRする紹介パンフやHP等での定期的な情報発信の実施
・地域住民や外部からの相談への対応や活動PRを行うための組織態勢・ネットワーク構築


<伴走支援を通じて実施する取組み>  
実行団体の目標実行団体の取組み
実行団体が活動する地域において、持続的に住み続けられる半林半Xの複業モデルが実践されることで、事業終了後も実行団体のメンバーが継続的に暮らし続けられる。・持続的な森林施業により収入を得る仕組みの構築
・林業以外の複業で収入を得る仕組みの構築
地域の森林を守り育てる担い手育成の為の基盤が整い、実行団体のメンバーが、事業後も研修やOJTを継続実施できる。・継続的に施業出来る山林の確保
・担い手育成のためのカリキュラムづくり
・担い手育成の継続実施のための資金確保
実行団体が、組織基盤強化を通じて、事業終了後も事業収益を上げながら、自律的かつ持続可能な運営ができるようになる。・実行団体の持続的な収益確保の仕組み構築
・実行団体のメンバーが主体的に活動する組織基盤構築
・2~3年後を見据えた事業計画策定
複業型ライフスタイル・マルチワークや持続的な林業を実施するための政策提言や新たな事業創造を通じて、実行団体の活動が、自治体の政策実装や企業との共同事業に発展している。・地域の持続的な林業に対する支援施策の実装および検討サポート
・生産材の付加価値向上システム構築・事業創出(地域内バイオマス利用や自家製材等)


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