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広葉樹地域のオリジナル林業を目指すシンポジウム「長浜スタイルの提案」に70名が参加

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 滋賀県長浜市で3月18日、地域オリジナルの林業を目指すシンポジウム「自伐型林業フォーラム〜長浜スタイルの提案〜」が開催され、長浜市内の山林の半分を占める広葉樹をテーマに市民が意見を交わしました。当協会が事業委託を受けている長浜市の年度締めのイベントで、約70名が集まりました。自伐型林業展開に取り組んで3年目を終えようとする長浜市で、いかにして山主や地域の住民がみずから山を管理し整備する「自伐型林業」が成立するのか、特に経済的・金銭的価値の出やすい樹種(スギ・ヒノキ等)が十分にない長浜市での展開を市民とともに考える機会となりました。

 当協会から上垣喜寛(事務局長)が山主および地域住民みずからが整備し管理する「自伐型林業」を振り返り、後半には広葉樹を活かした林業事業体の取り組みや、出口である建築分野、そして北海道、奈良県など全国の事例を紹介しました。具体的なポイントとしては、山林に作業道を張り巡らせて低コスト林業のインフラを築いた上で、いかにできるだけ山林に木を残して最低限の素材生産で収入をアップさせるかという点でした。「全国に広葉樹活用の事例はほとんどなく、長浜でそのスタイルが確立できるよう自伐協も支援していきたい」とコメントしました。

 続いて「ながはま森林マッチングセンター」の中川仁男アドバイザーからは、「施業は針葉樹のように単純ではない。キノコようには短伐期で萌芽更新を図り、用材としては長伐期を目指すような成長のさせ方もある」と、広葉樹の活かし方や山林の整備の仕方などの紹介がありました。「里山林」という言葉を出しながら、農業と密接に関わり人の生活をつくろうと呼びかけがありました。

 後半のパネルトークに並んだのは、昨年から「地域おこし協力隊」として活動している2人が登壇。中嶋健造氏(自伐型林業推進協会代表理事)のモデレーターのもとで、市民参加者を巻き込み林業だけでなく食材(キノコ類の食べ方)など多方向からの活発な意見が交わされました。地域おこし協力隊の活動に対して関心が集まり、ホダ木の買い取りについては、協力隊から仕入れたいという声もあがりました。

 広葉樹を活用した将来の「長浜モデル」の輪郭が浮かび上がる一日となりました。当協会としては、引き続き支援を行いながら、広葉樹地域でも自伐型林業が成り立つ形をともに確立していきたいと思います。

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