みなさんの応募にあたり、今回の事業趣旨にあわせた参考資料を掲載いたします。
「中山間地域における複業型ライフスタイル」
とは
本事業は、国土の7割(中山間地域の8割)を占める森林資源に着目し、経済・環境面で持続可能で、森林の耐災害性を高める「自伐(じばつ)型林業」を活用しながら、地域に住み続けられる「半林半X(エックス)」の生業づくりを目指します。
「半林半X」とは、農業と何か別の仕事(「X」)をかけ合わせた「半農半X」の考えをベースにした考えで、山の仕事を軸に、農業や漁業、観光業、各地特有の地場産業をかけ合わせたライフスタイルです。
中山間地域が抱える課題に対して、持続可能な「自伐型林業」を軸に据えながら、自然と共生するライフスタイルの実例を創出していきます。
「自伐(じばつ)型林業」とは
「自伐型林業」は、個人や地域住民が一定面積の山林を確保し、チェーンソーや軽トラ、小型重機をそろえて始められる林業です。
ただ、木を切り倒すだけの趣味的なボランティア活動というよりも、そこから一歩踏み出し、地域住民がみずからが山から木を運び出し、市場や製材所などへ出荷する自立・自営型の林業です。
地域の山を「プロにお任せ」にするのではなく、適正な技術を習得した上で「自分ゴト」として山を管理する、地域密着型の生業(なりわい)にしていくものです。
兼業・副業型でやるもよし、専業型で突き進むのもよし。フィールドの広さや、一緒に仕事をする人数によって、その林業のやり方はアレンジ可能です。
「小さな林業」がわかるアニメーション
近年では、木材の生産量を追い求めて山を崩壊させてしまう大規模林業とは一線を画した、持続可能な「小さな林業」として、国連の「SDGs」や「家族農林漁業」、気候変動の観点からも注目されています。
大量伐採の「短伐期皆伐」から
環境保全の「長伐期多間伐」
現行の林業といえば、生産性を追求した、50年や60年の樹齢が「適齢期」として一斉に伐採する「短伐期皆伐」や、良質な木から3割、4割を抜き切りする(地域によってはほぼ皆伐のような)間伐が主流です。急峻な日本の森林で、全国で土砂災害を招く要因にもなり、国会でも問題にあがるまでになっています。
「自伐型林業」は、森林環境の急激な変化を避けます。良質でさらに成長の見込みがある樹木はむやみに伐採せず、残してさらに育てる山づくりを心がけます。実際に、100年、200年を超える森づくり(人工林・天然林に問わず)を続ける林業者の現場から学んだ林業で、同じ樹種であっても一本一本の樹齢は様々であるという前提に立ち、「長伐期多間伐」の手法をとります。
モデル事例から学べる参考記事
全国各地で、この「自伐型林業」の研修が開催され、各地の森林の将来を担う人たちが増えてきています。そして、中山間地域の生業(なりわい)づくりがスタートしています。
さらに学ぶ映像
福井県と鳥取県で自伐型林業に取り組んでいる方々が自らプレゼンしている映像で、実際にみなさんの地域での仕事の組み合わせ方のヒントにもなるかと思います。(いずれも日本唯一の林業専門番組「」ZIBATSUニュース」より)
各地の実践者に学ぶ自伐型林業と“半林半X”のなりわいづくりについての紹介映像です。
全国各地の事例を紹介する「自伐型林業推進協会」代表の講義