

橋本山林
HASHIMOTO FAMILY FOREST
徳島県那賀郡那賀町、面積:113.23 ha
経済性と環境性を高い次元で両立させる自伐林業による多間伐施業の森
皆伐を止め、道を入れて択伐した森づくり
森林施業と生物多様性の高い森林生態系との両立を示す、貴重なモデルであり、中山間地域で注目されている小さな林業の目指すべき形として、現在施業中の林業家や新規就業を目指す若手林業家の手本となっている。 「木材生産のための森林の中に、自然度の高い植生が保持されているこの人工林は森づくりの学びの場となっていて、多くの林業関係者や研究者が橋本氏の林地を訪れる。そして、人々はその森の豊かさに驚き、癒やされて帰る(鎌田、2018)」と述べられているように、文化サービスをも提供している。作業道があることで、山歩きに慣れていない人や子供でも山の豊かさに触れることができ、ツツジや野生のラン、苔など、四季折々の美しさが楽しめる。

林業と自然が調和する生物多様性豊かな美しい森

樹齢は30年生から約150年生まで幅が広く、どの森も200年生以上を目指して展開している。樹高が高く高樹齢の森を維持させるためには、風・雨・光等の自然からの圧力から植物生態系を守ることで対応している。
尾根付近や林縁部で木材生産を長期的に維持させるためには風を防ぐ必要があるが、そのためにモミや広葉樹の多い天然林を残すことで強風が林内に入るのを防いでいる。また豪雨時の土壌流出を防ぐためや、光の入り過ぎによる土壌乾燥の防止対策も実施されている。一例として、谷部で土石流を極力発生させないために、谷部にも広葉樹を残し、さらに谷を渡る作業道に洗堰(小さな砂防堰堤ともいえる堰)を設置し、谷で発生した土砂を止める砂防効果を持たせている。作業道は他の部分でも斜面崩壊防止効果や土中環境を改善させる効果、水源涵養効果を持たせる工夫を施し、森林環境改善と土砂災害防止等の効果をより高めている。
【主な植生】
木材を生産し生業とするためのスギを中心とした人工林でありながら、尾根筋と谷筋中心にモミ、ケヤキ、シイ、カシなどが生育する針広混交林化し、250種以上の植物種が存在。地形に対応して出現する種群からなる11の植生型が識別されており、例えば、尾根では、植えられたヒノキの林床にモチツツジが保持され、また、天然性のモミが残る。斜面のスギ林冠下には、コジイ-アセビ型植生、ケヤキ-イロハモミジ型植生が出現するなど、人工林として良好な環境が保たれている。
【確認された主な動植物】
92科254種の植物(常緑高木35種、常緑低木16種、落葉高木43種、 落葉低木33種、 草本56種、 ツル植物29種、シダ42種)が生育
【確認された希少種】
徳島県版レッドリストに掲載されている種10種(絶滅危惧IA類2種、同IB類3種、同Ⅱ類3種、準絶滅危惧2種)が生育。



橋本山林 受賞歴
1996年 朝日森林文化賞
2016年 全国林業経営推奨行事「農林水産大臣賞」
2016年 第55回農林水産祭 「内閣総理大臣賞」
2018年 「旭日単光章」受賞
2023年 環境省 自然共生サイト認定
2024年 OECM登録

YouTube一覧
橋本山林
【第192回】高田宏臣×坂田昌子×橋本林業「多様性豊かな森をつくる、自然との向き合い方」ダイジェスト版
橋本忠久さんが案内する橋本山林の壊れない作業道【OECM登録記念ムービーその3】
橋本山林の山づくりの歴史【OECM登録記念ムービーその2】
Appendix
資料のダウンロード:
関連リンク:
橋本山林:https://hashimotosanrin.com/
生物多様性見える化マップ:https://www.biodiversitymap.env.go.jp/initiatives?site_no=920230100107
